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腸漏れ・リーキーガットは腸活で治る?13年お腹にふれてきた専門家の考え

「腸漏れという言葉を聞いたのですが、私もそうなのでしょうか」

「リーキーガットは腸活をすれば良くなりますか」

「腸セラピーを受ければ治りますか」

腸について発信をしていると、このようなご相談をいただくことがあります。

最近では、腸漏れやリーキーガットという言葉をインターネットやSNSで見かける機会も増えてきました。

お腹が張る、便通が安定しない、いろいろな腸活を試しているのになかなか調子が整わない。そんなときに「もしかしたら腸漏れなのでは」と不安になり、検索を続けている方もいらっしゃるかもしれません。

私は名古屋で長年、腸セラピー専門のサロンを運営し、さまざまなお腹に触れてきました。その中には、実際に医療機関で「リーキーガット」と説明を受け、その後サロンに来店された方もいらっしゃいました。

今回は、その方との経験を交えながら、腸漏れとは何なのか、そして私たちが考える腸活についてお伝えします。

目次

腸漏れ、リーキーガットとは

一般的に「腸漏れ」と呼ばれているものは、「リーキーガット」という言葉で表現されることがあります。英語の「leaky」は漏れる、「gut」は腸という意味です。

この言葉の背景にあるのが「腸管透過性」です。私たちの腸には、食べ物から必要な栄養や水分を取り込む一方で、細菌などが簡単に体内へ侵入しないようにするバリアとしての働きがあります。

腸管のバリア機能や腸管透過性については、現在もさまざまな研究が行われています。一方で、一般的に使われている「リーキーガット症候群」という言葉については、少し注意が必要です。

腸管透過性が高くなる現象そのものは医学的にも研究されていますが、「リーキーガット症候群」という名称については、診断方法や治療法を含めてまだ十分に確立されていない部分があります。

そのため、「なんとなく体調が悪いから腸漏れだ」「この症状があるからリーキーガットだ」と自分だけで判断しないことが大切です。

腸漏れではどのような症状が語られているのか

インターネットで「腸漏れ」と検索すると、お腹の張り、便秘、下痢、腹痛、疲れやすさ、肌荒れ、アレルギー、気分の落ち込みなど、非常に多くの症状が紹介されています。

ただし、こうした症状があるからといって、すぐに腸漏れが原因だと判断できるわけではありません。便秘や下痢、お腹の張りなどは、さまざまな病気や生活習慣によっても起こる症状です。

大切なのは、インターネット上に書かれている症状を自分に当てはめて、病名を探し続けることではありません。

症状が長く続いている場合や、強い腹痛、血便、急な体重減少など気になる症状がある場合には、まず医療機関に相談することが大切です。

「腸漏れは腸セラピーで治りますか」

ここからは、私のサロンに実際に来店された方のお話です。個人が特定されないよう、一部の情報は省いてご紹介します。

その方は50代くらいの女性でした。ご本人からは、医療機関で「リーキーガット」と説明を受けたと伺いました。

その言葉を聞いて以来、ご自身でも腸についてかなり調べるようになったそうです。食事を変えたり、腸に良いと言われるものを試したり、さまざまな腸活を続けてこられました。

ところが、ご本人が期待していたほどの変化を感じることができず、さらにインターネットで検索を続けている中で、私のサロンを見つけてくださいました。

初回のカウンセリングで、最初に尋ねられたことを今でも覚えています。

「腸漏れは、腸セラピーで治りますか」

とてもストレートな質問でした。

私は、

「腸セラピーで腸漏れを治すことはできません」

とお答えしました。

なぜ「治ります」と言わなかったのか

その言葉を聞いたとき、お客様は残念そうな表情をされました。おそらく「それなら、ここに通っても意味がないのかな」と思われたのかもしれません。

ですが、私はここを曖昧にしたくありませんでした。

腸セラピーは医療行為ではありません。病気を診断したり、治療したりするものでもありません。だからこそ、私はセラピストとして「腸セラピーを受ければ治ります」とはお伝えしていません。

むしろ、その方には「施術だけですべてを何とかしようとするのではなく、毎日の生活も含めて、一緒に体と向き合っていきませんか」というお話をしました。

これは、この方だけにお伝えしていることではありません。私が腸セラピーを提供するうえで、長く大切にしている考え方です。

腸を整えるために、施術だけを考えない

腸の調子が悪くなると、「何を食べればいいのか」「何を飲めばいいのか」「どんなサプリメントを摂ればいいのか」と、どうしても何かを足すことに意識が向きやすくなります。

もちろん、食事はとても大切です。しかし、人間の体は食事だけで成り立っているわけではありません。

どのような食事をしているのか。十分に眠れているのか。適度に体を動かしているのか。仕事や人間関係で緊張が続いていないか。きちんと休む時間を取れているのか。

こうした毎日の生活も、私たちの体の状態と無関係ではありません。

日本腸セラピー協会でも、腸活を食事だけでは考えていません。食事と向き合うこと、体を動かすこと、しっかり休むこと、そして心の状態と向き合うこと。こうした生活全体を見ることを大切にしています。

特別なサプリメントを勧めたわけではありません

そのお客様にも、何か特別なサプリメントをおすすめしたわけではありません。特定の健康食品を購入していただいたわけでもありません。

もちろん、腸セラピーの施術は定期的に受けていただきました。しかし、それだけではなく、その方の生活の中で負担になっていそうな習慣を一緒に振り返っていきました。

「これは少し減らしてみましょうか」「これは生活に取り入れてみましょうか」と、一度に大きく生活を変えるのではなく、できることから少しずつ見直していきました。

何か特別なものを足したというよりも、その方の不調につながっている可能性のある生活習慣を少しずつ手放し、反対に、体にとって負担の少ない生活習慣を少しずつ身につけていったという方が近いと思います。

半年ほど経った頃、お客様から聞いた言葉

その後、その方には回数券で継続して通っていただくことになりました。そして半年ほど経った頃、お客様からこんなお話をいただきました。

「以前より、お腹の張りや便通の調子が良くなってきたような気がします」

もちろん、この変化を「腸セラピーでリーキーガットが治った」と考えることはできません。

半年間の中では、施術だけではなく、食事や運動、休息など生活の中でもさまざまな変化がありました。そもそも、人の体は一つの要因だけで変化するものではありません。

何がどの程度関係したのかを、私たちが判断することもできません。

ただ、ご本人自身が以前との違いを感じられるようになったこと。そのことを私はとてもうれしく感じました。

腸活は「何を足すか」だけではない

このお客様との時間を通して、私自身も改めて考えさせられました。

腸活というと、ヨーグルト、発酵食品、食物繊維、サプリメントなど、「何を摂るか」という話になりがちです。もちろん、それらが自分に合っているのであれば、生活の中に取り入れることを否定する必要はありません。

ただ、腸活は何かを食べることだけなのでしょうか。

私はそうは考えていません。

何を食べるかだけではなく、どう眠るか、どう体を動かすか、どう休むか、どのようなストレスを抱えているのか、どんな毎日を過ごしているのか。

そうしたことも含めて、自分の体を見る。

それも腸活ではないかと思うのです。

情報が増えるほど、不安になってしまうこともある

腸活に関する情報は、この数年で本当に増えました。「これは腸に良い」「これは腸に悪い」「これを食べた方がいい」「これは食べない方がいい」と、検索すればいくらでも情報が出てきます。

しかし、情報を集めれば集めるほど、自分の体が分からなくなってしまうこともあります。

大切なのは、「世の中で何が良いと言われているか」だけを見ることではありません。「今の自分の体はどう感じているのか」という視点も持つことです。

自分のお腹に触れてみる。呼吸が浅くなっていることに気づく。最近よく眠れていないことに気づく。疲れていることや、食べすぎていること、頑張りすぎていることに気づく。

腸活とは、こうした小さな気づきから始まるものではないかと私は考えています。

腸漏れが気になっている方へ

もし今、「私は腸漏れなのではないか」と不安になり、この記事にたどり着いたのであれば、まず知っていただきたいことがあります。

腸漏れという言葉だけに、自分の不調の原因をすべて求める必要はありません。体調不良が続いているのであれば、必要に応じて医療機関で相談してください。

そのうえで、毎日の食事、睡眠、運動、休息、ストレス、生活のリズムなど、自分にとって身近なところから体を振り返ってみてください。

すべてを一度に変える必要もありません。

「これは今の自分には負担になっているかもしれない」

そう気づけるものが一つあれば、そこから少しずつ見直していけばいいのだと思います。

腸セラピーは「治すため」ではなく、体と向き合うための時間

私たちが行っている腸セラピーは、病気を治療するためのものではありません。強く押したり揉んだりするのではなく、お腹にやさしく触れながら、自分の呼吸や体の状態に気づく時間を大切にしています。

誰かに治してもらう。何かを飲めば変わる。特別な方法を見つければ変わる。

そうした方法だけを探し続けるのではなく、自分自身が日々の体と向き合うことも大切です。

日本腸セラピー協会では、それも腸活の一つだと考えています。

腸漏れという言葉をきっかけにこの記事を読んでくださった方が、自分の体や毎日の生活をもう一度見つめ直すきっかけになればと思います。

この記事について

この記事は、一般社団法人日本腸セラピー協会代表として、長年腸セラピーの現場に携わってきた経験と、実際にサロンでいただいたご相談をもとに執筆しています。

お客様の事例については、個人が特定されないよう情報の一部を変更、省略しています。また、ご本人が感じた変化をご紹介するものであり、腸セラピーによる疾病の治療や改善効果を示すものではありません。

体調に不安がある場合や症状が続いている場合には、自己判断せず、医師などの専門家へご相談ください。

執筆
一般社団法人 日本腸セラピー協会
代表 加藤仁基

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