出てるのに便秘?と思ったあなたへ
〜意外と知らない“便秘の定義”と、腸の声を聞く方法〜
こんにちは、日本腸セラピー協会代表の加藤です。
「毎日出てるけど、なんかスッキリしない」
「週に2回しか出ないけど、私は便秘なのかな?」
腸セラピストとして12年以上お腹と向き合ってきた中で、こうした“腸の違和感”を感じている方が本当に多いと感じています。
でもその一方で、「便秘=毎日出ていない状態」と思い込んでいる方も多く、本当の意味で“腸の不調”に気づけていないケースもあるのです。
今回は、そんな「便秘ってそもそもどういう状態なの?」という疑問に対して、医学的な定義と現場の声の両面から、やさしくわかりやすく解説していきます。
毎日でないと「便秘」は間違い
一般的に、毎日、出ないと便秘と思い込んでいる方が多いのですが、これがそもそも大きな間違いなんです。
■ 医学的な定義をご存じですか?
「本来体外に排出すべき便を、十分量かつ快適に排出できない状態」
(出典:日本消化器病学会『慢性便秘症ガイドライン』)
つまり、「何日も出ない」ことだけではなく、
- 出ていても残便感がある
- 出るけど硬くてスッキリしない
- 排便に時間がかかる
- お腹が常に張っている
といった状態も、立派な「便秘」の一種なのです。
あなたはどう?“隠れ便秘”セルフチェック
以下の項目をチェックしてみてください。
□ 便が硬い/コロコロしている
□ 出ても残便感がある・スッキリしない
□ 排便時間が毎日バラバラ/急に便意がくる
□ 朝食はいつもパンとコーヒーなど、固定化している
□ ガスがたまりやすく、お腹が張ることが多い
1つでも当てはまるなら、あなたの腸は「疲れている」のかもしれません。
実際の現場で見た2つのタイプ
● タイプA:出てるのに便秘だった人
40代女性:「私は毎日出てますよ」とご来店。
でも詳しく聞いてみると…
- 出る時間がバラバラ
- コロコロしていて硬い
- 食後に急に来て、焦ってトイレに行く
- ガスが出ない・お腹が張る
→ 腸セラピーと生活改善で腸の動きが整うと、「そういえば、お腹の軽さが全然違う」と自然に実感されていました。
● タイプB:回数が少ないけど快便の人
30代女性:「週2回くらいしか出ないんですけど、便秘ですか?」
- 出るときはスルッと出て残便感なし
- お腹も張らない・快適
- 肌も好調、気分も安定
→ これは体質的に“排出のリズムが少ないだけ”で、便秘ではありません。
便の質・快適さが整っていれば「毎日出なくてもOK」なのです。
便秘に気づかないままのリスクとは?
便秘が続くと、単なる“排便の不調”にとどまりません。
- 腸内にガスや老廃物がたまり、肌荒れや口臭の原因に
- 腸が緊張したままになり、イライラ・不眠を招きやすくなる
- 排泄の滞りが冷え・PMS・免疫力の低下にもつながる
見えないところで、腸は心身に大きく影響しているのです。
腸セラピストが見ている“腸の声”
私たち腸セラピストは、便の回数だけでなく、
- お腹の硬さ・冷え
- 呼吸の浅さ(緊張のサイン)
- 姿勢・食事の偏り
- 排便後のスッキリ感の有無
など、“体の声”を多角的に見ています。
ある方は、「10年間、毎朝パンとコーヒーを食べて、10年間お腹が張っていた」と話していました。
でも食事と排便のリズムを変えたことで、「お腹が張らなくなって気持ちも軽くなった」と表情まで明るくなったのが印象的でした。
まとめ 「何回出たか」ではなく「どう出ているか」が大事
便秘は“何日出てないか”ではなく、“気持ちよく出せているかどうか”が本質です。
理想の排便は、
- 1日1〜2回
- スルッと出て残らない
- バナナ状で、においも控えめ
- 排便後は気分もスッキリ
という状態。
まずは、自分の腸の状態を見つめ直してみませんか?
1週間だけでも「排便の回数・時間・スッキリ感」をメモしてみると、腸からのサインに気づけるかもしれません。
あなたの腸が、今日も心地よく動き出せますように。