こんにちは。腸セラピスト・日本腸セラピー協会代表の加藤です。
一年の締めくくりに向かう冬。街はクリスマスや年末の雰囲気に包まれ、どこか慌ただしさを感じる季節ですね。
一方で、
「なんだか気力が湧かない」
「いつもより冷えやすい」
「便秘がちで、お腹が重い」
そんな不調を感じる方も少なくありません。
東洋医学では、冬は「腎（じん）」のエネルギーが深く関わる季節とされ、生命力の“根っこ”を養う時期とも言われています。
だからこそ、がんばりすぎず、深く休むことが、冬の一番の養生なんです。
今回は、冬におすすめの「動養生」「休養生」「心養生」をお伝えします。
冬に起こりやすい不調とは？
サロンでも、こんなお声が増えてきます。
「お腹が冷えてガチガチです」
「寝ても疲れが取れない」
「この時期になると毎年気分が落ち込むんです」
寒さが厳しくなる冬は、体も心もぎゅっと内側に閉じこもるようになります。
無意識のうちに緊張がたまりやすく、それが腸の硬さや冷えとして現れることも。
東洋医学から見る「冬」とお腹のつながり
東洋医学では、冬は「腎」が深く関わる季節。腎は生命力の源を司る臓腑で、“冷え”にとても弱いとされています。
また、腎の力が弱ると、気力ややる気が湧きにくくなったり、下半身の冷えやむくみ、排泄機能の不調として現れることもあります。
腎の弱りは「腸の働きの低下」にも直結します。特に冬は、
・代謝が下がる
・動く量が減る
・体が冷える
こうした要因が重なって、お腹の不調を引き起こしやすくなるのです。
冬に起こりやすい体と心の不調
体の不調
・手足やお腹の冷えが強い
・むくみやすい
・便秘やお腹のガスがたまりやすい
・腰痛や下半身のだるさ
・夜中にトイレで目が覚めやすい
心の不調
・やる気が出ず、無気力になりやすい
・気分が沈みがちで涙もろくなる
・人と会うのが億劫になる
・焦りや不安が強くなる
・孤独感を感じやすくなる
冬のお腹を整える養生ポイント
動養生（あたためながらやさしく動く）
・朝起きたら、布団の中で軽くストレッチ
・湯たんぽや腹巻きでお腹を温める
・無理せず、ゆったりしたペースでウォーキング
休養生（深く休んで、ためる）
・夜更かしせず、早めに布団に入る
・休日は“予定ゼロの日”を意識して作る
・ぬるめのお風呂で、時間をかけて身体を芯から温める
心養生（自分の内側とやさしくつながる）
・一人時間をあえて大切にする
・心の声をノートに書いて“外に出す”
・「できない日があってもいい」と、力を抜く練習を
今月おすすめの食材
冬は「黒い食材」と「温性の食材」で、腎をサポートするのがポイント。
・黒豆、黒ごま、ひじき
・根菜類（にんじん、大根、ごぼうなど）
・味噌汁、スープ、鍋料理で体を内側から温める
※料理レシピはご紹介していませんが、素材選びと組み合わせで“からだにやさしいごはん”を意識すると、腸も心も喜びます。
腸セラピストからのひとこと
冬のお腹は、冷えて固まりやすくなります。
特に、仕事や家庭でがんばりすぎてしまう女性ほど、「休むこと」に罪悪感を抱きがち。でも、冬こそ「休むこと」が最良のケアなんです。
お腹を緩めるには、まず心を緩めてあげることから。
自分の声に耳を傾ける時間を、大切にしてくださいね。
今月のまとめ
冬は、自然界と同じく「ためる」「休む」がテーマ。
何かをがんばるよりも、今ある自分を受け入れて、しっかり休むこと。
お腹と心を温めながら、春に向けてのエネルギーを蓄える季節です。
あたたかい飲み物を手に、静かに深呼吸をしてみましょう。
冬は、「ゆるめること」にOKを出してあげてください。
春の芽吹きは、いまの“休息”から始まっています。