腸セラピー・東洋医学・西洋医学の視点から見えてくる“本当のサイン”
こんにちは、日本腸セラピー協会代表の加藤です。
施術の現場で多くの方のお腹に触れていると、「お腹が硬いですね」とお伝えする機会がよくあります。
でもこの“お腹の硬さ”、実は多くの人が気づいていない不調のサインです。
「え?自分ではそんなに硬いとは思っていなかった…」
「肩こりや腰痛は分かるけど、お腹って硬くなるの?」
今回は、腸セラピストとしての視点に加えて、東洋医学と西洋医学の観点から、「お腹が硬いってどんな状態?」を分かりやすく解説します。
腸セラピーから見るお腹の硬さ
腸セラピーで理想とするお腹は、適度な柔らかさと温かさ、呼吸に合わせて動く“弾力のあるお腹”です。
ところが実際に触れてみると、
・ガチガチで指が入らない
・パンパンに張っていて風船のよう
・呼吸が浅く、お腹がほとんど動かない
といった状態の方が多く見られます。
特に小腸周辺(おへそ周り)が硬い方は、睡眠の質の低下やイライラ感、気分の落ち込みを訴えることが多く、感情との関連性も強く感じられます。
東洋医学から見るお腹の硬さ
東洋医学では、内臓は「五臓六腑」として分類され、それぞれの臓器が感情や季節と深く関わると考えられています。
■ 小腸と大腸の五臓との関係
● 小腸(腑)⇔「心(しん)」
・感情では「喜(よろこび)」に対応
・喜びすぎても不足しても、小腸や心に影響が出る
● 大腸(腑)⇔「肺(はい)」
・感情では「悲(ひ)」に対応
・悲しみが蓄積すると、呼吸が浅くなり、大腸の動きにも影響する
腸セラピーの現場でも、喜びを感じにくい方、落ち込んでいる方は小腸がカチカチになっていることが多く、まさに東洋医学の考え方と一致しています。
西洋医学から見るお腹の硬さ
西洋医学的に見ると、お腹が硬くなる原因には以下のようなものがあります。
・自律神経の乱れによる腸の運動機能の低下
・ガスや便が停滞しやすい腸内環境
・セロトニン(幸福ホルモン)の不足による腸の運動不全
そしてここで重要なのが「血流」の問題です。
血流が滞ると、筋肉は酸素や栄養が届きにくくなり、硬直しやすくなります。
これは肩こりと同じ原理です。腸の周囲にも筋肉があります。
長時間の座りっぱなしやストレスによって、血流が悪くなることで腸がこわばり、結果として「お腹が硬くなる」のです。
実際の施術現場から見えること
私たちが出会う多くのお客様は、特に小腸部分が硬く、押すと痛みを感じることが多いです。
・「施術後は深く呼吸できるようになった」
・「お腹にふれられただけで、涙が出た」
・「なんとなく不安が薄らいだ気がする」
といった声もあり、腸の硬さが単なる“物理的な緊張”だけでなく、“感情の詰まり”とも関係していることを感じます。
自分のお腹の状態、チェックしてみませんか?
- 指が腹部にスッと入らない
- お腹が冷たい
- 呼吸してもお腹が動かない
- ガスが溜まりやすい
- 最近「楽しい」と思えていない
ひとつでも当てはまる方は、お腹が硬くなっているかもしれません。
まとめ:お腹の硬さは「あなたの今」を映す鏡
腸セラピーでは、お腹の状態を丁寧に観察し、やさしくふれることで、心と体を整えていきます。
お腹の硬さは、あなたの“生き方”のサインです。
毎日の忙しさの中で、自分の体と向き合う時間は減りがちですが、「お腹にふれる」ことは、自分の内側に目を向ける最もやさしい習慣です。
今、あなたのお腹はどんな状態ですか?